巨大ピンボール登場で大賑わい。「TOKYO OUTDOOR MARKET 2023」で、多摩・島しょ地域の楽しみ方を伝えるイベントを実施しました|イベントレポート
見事な秋晴れとなった2023年10月21日(土)〜22日(日)、お台場の特設会場にて巨大アウトドアマーケット「TOKYO OUTDOOR MARKET 2023」が開催されました。
本イベントでは、キャンプや登山のギア&ウエアにはじまり、クルマや自転車、バイク、釣りなど、さまざまなジャンルのブランドが一堂に集結。さらに、人気のカレーショップやクラフトビールのキッチンカーも出店するなど、90を超えるブランドや が参加。会場は終日多くの人で賑わいをみせました。
NATURE TOKYO EXPERIENCE もブースを出展。自然エリアの観光やアウトドアに興味を持つ一般生活者の方に向けて、豊かな自然を有する多摩・島しょ地域の魅力を知るきっかけをつくるとともに、その地域の事業者サービスを周知し、観光促進へと繋げていくため、当該地域をテーマにしたコンテンツを展開しました。
「アウトドアマーケット」というイベント名からもわかるように、物販と飲食をお目当てに来場している方が多くいらっしゃったと思いますが、NATURE TOKYO EXPERIENCEのブースにも興味を持ってくださり、イベント開場後からたくさんの方に参加していただきました!
巨大ピンボールに、市町村クイズ! 4つのコンテンツを実施
東京西部の30市町村からなる多摩地域と、11の有人島からなる9町村島しょ地域。世界有数の都市である東京にも、じつはとても豊かな自然環境があり、そこで実現できることがたくさんあることを知ってもらいたい。また、日々の暮らしに取り込める要素も見つけてほしい、という想いを伝えるにはどうしたらいいか…。そこで、4つのコンテンツを用意しました。
1|どこのポケットに入るかはお楽しみ。お手製TAMASHIMAピンボール
一見「なんだろう?」という見た目のこちらは、木材を使って手作りした巨大な「ピンボール」。じつはこの日のために、職人やイラストレーターの方々の力を借りてつくった、完全オリジナルのピンボール台です。
でも、単なるピンボールゲームじゃあないんです。本来ピンボールは得点を得ることを目的にした遊びですが、今回は得点制ではありません。多摩(TAMA)・島しょ(SHIMA)地域の39の自治体になぞらえ、39箇所のポケットを用意したのがミソ。入ったポケットの自治体のクイズが出題され、答えると景品がもらえる、という仕組みです。
とくに小さなお子さんにとって、ピンボールははじめての体験。「なんだこれ〜!」とはしゃぐ姿が印象的でした。また「懐かしい〜」と笑みをこぼす大人の方も。とりあえず勢いをつけて棒を引っ張ってみたり、「あのまちに入れたい」と狙いを定めてボールを飛ばしてみたり。みなさんそれぞれのやり方で盛り上がっていました。
2|意外とむずかしい!? 二択クイズ
続いては、クイズ。先ほどのピンボールでボールが入った自治体にまつわる二択問題です。せっかくの機会なので、多摩・島しょのことを知ってもらえるようなクエスチョンを考案しました。たとえば……
「大島町にある日本で唯一の場所は? A:砂漠 B:ジャングル」
「多摩市において、面積比が東京都で一位を誇るものとは? A:公園 B:河川」
など、39自治体のクイズを出題。あえて難易度高めの問題もありますが、二択なので、小さなお子さんも「こっちにする!」と勘で答えてくれたり、親子で「どっちかなぁ?」と考えたり。なかには自分の住んでいる自治体の問題に運よく当たって、「これは知ってる!」と即答だった方も。
東久留米市にお住まいのご家族は、調布市のクイズにチャレンジ。「調布市と伊豆諸島を繋ぐ調布飛行場ですが、直行便でいくつ島へ行くことができる? A:10島 B:4島」というクエスチョンでしたが、「わりと近くに住んでいるけど、調布から飛行機で島へ行けるなんてびっくり。いつか利用してみたい」とおっしゃっていました。
ちなみに、調布飛行場は、東京都本土と伊豆諸島を結ぶ、重要な空の玄関口。ここから伊豆大島、新島、神津島、三宅島の4島へ直接向かうことができます。伊豆大島へはわずか約25分、4島のうち最も遠い三宅島も、約50分で行くことができ、意外と「気軽に行ける」島であることがわかります。また、海産物や農産品の空輸拠点でもあり、空港ターミナルビルには、島の特産品であるアシタバやくさやなどの自動販売機もあるんです。
続いては、瑞穂町のクイズに当たった埼玉県在住のご家族。出題されたのは「みずほブランドとも言われる、瑞穂町の名産品は? A:狭山茶 B:掛川茶」という二択問題でしたが、「家から瑞穂町は近いけど、これは知らなかった」とのこと。
正解は、A:狭山茶。東京の北西部に位置する瑞穂町は、お茶の一大産地。狭山茶は「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」と、茶摘み歌の一節としても昔から生活の中で親しまれてきた、日本三大銘茶のひとつ。埼玉を中心としながら、東京でも生産されています。
今回、クイズに答えてもらうだけでなく、このように「どうしてこの答えなのか」その解説もお伝えしましたが、「答えはわかっていたけど、理由までは知らなかった」、「勉強になった」という声が散見されました。
3|当たってもハズレても、特産品をプレゼント&タブロイド配布
地域の魅力を感じる手段として、やはり「食」や「その土地ならではのもの」は重要な要素となります。そこで、クイズに正解した方には、39の自治体のなかからチョイスした特産品をひとつプレゼント。御蔵島で採れたアシタバを使ったうどんや、父島の海底湧水からつくった天然塩、檜原村産のヒノキを使った、自分で仕上げるスプーンのキットなど、全13種類の特産品をご用意しました。
あきる野市の名物「鮎ふりかけ」を選んだご家族は、「都内在住だけど、あきる野で鮎が特産なのは知らなかった。どんな味がするのか楽しみです」と話してくださいました。
クイズにはずれてしまった方には、NATURE TOKYO EXPERIENCEオリジナルの消臭剤をプレゼント。なかに入っているのは、多摩産の杉やひのき。持っているだけでも木のいい香りが漂います。
イベントの現場で直接お伝えできることには限りがあるため、景品と合わせてNATURE TOKYO EXPERIENCEのタブロイドの配布もしました。紙面では、東京にいながら「都市と自然、どちらも楽しむ日々」を過ごすヒントを紹介。というのも、じつは東京では都内で唯一の天然滝壺での水風呂を楽しめるサウナがあったり、ぶどう棚の下での木漏れ日キャンプができたりもするんです。
また「東京でできる、50のこと」として、「東京産のお米でおにぎりを作って食べる」、「自分で収穫したぶどうでワイン造り」など、今日から始められることから予定表に加えたいものまで、さまざまな提案をしています。
4|東京でどんなことしてみたい? 集まったみんなの声は……
そして最後に、「東京でやってみたい自然体験」や「おすすめの遊び方」をみなさんにお聞きしました。2日間で集まった数は250コメント以上。その一部をご紹介すると……
- ■ 多摩(TAMA)地域
「めずらしいカブトムシを捕まえたい」
「奥多摩でワサビのお蕎麦を食べる」
「東村山市でぶどう狩りをしたい」
「サウナのあと本物の川で水風呂!ととのいたーい!」
「おすすめは登山。川苔山がきれいだった」
- ■ 島しょ(SHIMA)地域
「イルカと一緒に泳いだりジャンプしたりしたい」
「無人島体験!」
「島民ゆかりの食堂で島寿司を食べる」
「八丈島で海を見ながら足湯したい」
「伊豆大島の三原山ハイキングがおすすめ。日本で唯一の砂漠だよ」
照れながらも自分の言葉で書いてくれる小さなお子さんも多くいて、なかには「島全体で鬼ごっこ」というユニークな遊び方を考えてくれた子も。
以前、神津島村へ遊びに行き、海に潜ったという小学生の女の子は「東京にあんなに綺麗な海があるなんて知らなかった。今度はサーフィンをしてみたい」と話してくれました。
2020年、神津島は、光害の影響のない、暗く美しい夜空を保護・保存するための優れた取り組みを称える国際認定制度「星空保護区」に、東京都で初めて認定された場所です。暗闇を守ることは、野生動物の保護に貢献し、エネルギー節減といった環境面にもいい影響を与えます。さらに、人間本来の生活リズムを取り戻すことにもつながっていきます。ただ単に美しい星空を生み出すだけじゃあない、神津島の「美しい暗闇」にも注目して、また訪れてほしいなと思います。
「東京でできること」を新たに見つける、きっかけに
2日間でのべ614人にご参加いただき、盛況で幕を閉じた「TOKYO OUTDOOR MARKET 2023」でのブース出展。NATURE TOKYO EXPERIENCEとしては初の試みでしたが、多くの方と話すなかで、多摩・島しょ地域でできることがまだ広く知られていないこと、東京に住んでいる人も、もっと東京で遊びたいと思っていることを実感しました。
イベントがお台場で開催されたこともあり、ブースに参加してくださったのは東京都在住の方がほとんど。また、アウトドアをテーマにしたイベントだったため、キャンプや釣りを楽しんでいる方が多く来場されていましたが、生活圏がゆえに「近くに住んでいるけど知らなかった」という声が多かったように思います。
灯台下暗し。人は身近なことには案外気付かないもので、意識して情報を取りにいかないと、素通りしてしまう出来事がじつはいっぱいあります。
東京は都市と自然、どちらもある日々を過ごすことのできる街。働く、学ぶ、休むといった日常が溶け合っていく時代に、東京での過ごし方も、今後ますます多様化していくはず。今回ブースに参加してくださった方、そうでない方も、NATURE TOKYO EXPERIENCEの取り組みをヒントに「新しい東京の楽しみかた」を見つけに多摩・島しょ地域へ足を運んでみてください。
もし、またこの巨大ピンボールが登場することがあれば、ぜひみなさんチャレンジしてみてください!
Text:Rie Yamahata
Photo:Hao Moda
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