【レポート】Nature Tokyo Experience 令和4年度 活動報告会
多摩・島しょ地域における、東京ならではの自然エリアに注目し、体験型・交流型の新たなツーリズムを開発する東京観光財団が主催するプロジェクト「Nature Tokyo Experience」。
人々の価値観の変化や新しいニーズに対応する「多摩・島しょエリアの価値」を、事業を通して発掘する事業者を支援する本事業の令和4年度活動報告会を2023年2月に実施しました。本事業を通して各事業者が経験した変化についてレポートします。
令和4年度の支援内容
事業支援期間中だけでなく、事業支援期間終了後も事業者が自律的かつ、無理なく事業及び広報活動を続けることができるよう、「対話育成型」の事業伴走と広報支援を実施した。
令和4年度の参加事業者
・トレイルヘッズ株式会社
・株式会社Niijima Farmers
・株式会社do-mo
・株式会社旅倶楽部
各事業者との取り組みについて
<トレイルヘッズ株式会社>
【事業者が感じていた課題】
東京都檜原村にある会員制のキャンプ場「HINOKO TOKYO」は営業期間に制約がある状況下での事業拡大・展開に課題を感じていた。
【取り組みと成果】
HINOKO TOKYOにおいて提供可能なチームビルディング研修の開発
HINOKO TOKYOの特徴であるサウナと自然、焚き火の要素を加えた企業向けのチームビルディング研修を提供し、HINOKO TOKYOでの新たな過ごし方を提案した。
環境問題に対する啓蒙活動を実施
HINOKO TOKYOがある拠点の上流部に建設が予定されている焼却炉施設に対し、その是非を含め、地域住民間の対話が継続的に発生することを目的とした啓蒙活動「Back to River」を実施した。トレイルヘッズの発信をきっかけに、地域住民以外にも、アウトドアやサウナが好きな人々を中心に40名が参加した。
チームビルディング研修の様子をBRUTUSに掲載
HINOKO TOKYOでのチームビルディング研修の様子を自社サイトに掲載し、情報発信を行ったほか、その様子を「BRUTUS」にて取材・掲載した。
■BRUTUS WEB掲載記事:https://brutus.jp/hinoko-tokyo/
事業者の声「プロフェッショナルと一緒に新サービスを立ち上げることができた」
「HINOKO TOKYOは近隣の道路整備の関係で、あと1年営業できるかどうかという制約がありました。その中で、自分たちはどこまで投資できるのか、何ができるのかをずっと試行錯誤していました。Nature Tokyo Experienceに参加した初年度にはサウナを作り、2年目には森ワークというサービスを作りました。3年目にあたる今年度は、プロフェッショナルの皆様の視点を入れ、一緒にディスカッションさせていただきながらアウトドアでのチームビルディング研修をつくりあげました。Nature Tokyo Experienceに関わったこの3年間は、資金をバックアップしていただくという以上に、事業をどう広めていくかを共に考えていった、本当に貴重な時間だったと思っています。」
<株式会社旅倶楽部>
【事業者が感じていた課題】
企業概要や各事業、その背景などをまとめた資料がなく、顧客に対する説明に差が生じていた。
発信まで手が回らず、売り上げや集客に課題を感じていた。
【取り組みと成果】
プロモーションムービーの制作
三鷹オーガニック農園で体験できるアクティビティを紹介するプロモーションムービーと事業者のインタビュームービーを制作し、HPとSNSを中心に発信。また、旅倶楽部が行っている事業の全体像がわかる資料を作成したことで、旅倶楽部の事業が可視化・言語化され、どのスタッフも同じように事業やその背景などについて、顧客に説明・発信できる状態になった。
旅倶楽部のnote・Youtube開設と吉祥寺経済新聞によるPR施策の実施
旅倶楽部のnoteを開設し、事業概要やその背景にある想い、展望を伝える記事を作成・配信した。地域密着メディアである「吉祥寺経済新聞」では取材記事を通じ、顧客獲得だけでなく、近隣住民に対しても事業内容や想いを周知した。また、三鷹オーガニック農園だけでなく、三鷹エリアとしての体験を創出・提案することで地域内連携を促進した。
■ 吉祥寺経済新聞:https://www.youtube.com/@user-nm6td1jw5q
■ note URL:https://note.com/budonomori
■ Youtube URL: https://www.youtube.com/@user-nm6td1jw5q
事業者の声「今年度実施したことが、これから効果を発揮していくと期待している」
「NTEに参加した3年間では、皆様の協力を得てさまざまなことに挑戦しました。畑で獲れたぶどうを使ってブドウワインを作ったり、パリコレクションの東京会場として、うちのグランピングフィールドが選ばれたりしたことで、TVなどメディアの方からの問い合わせがすごく増えました。これらをきっかけに、一般のお客さんからの問い合わせも増えることを期待しています。今年度の取り組みに関しても、外出需要が戻りつつある今後、非常に効果を発揮していくのではないかと楽しみにしています。今後もまた武蔵野の地を盛り上げられるよう、新しいことをやっていきたいと思っています。」
<株式会社Niijima Farmers>
【事業者が感じていた課題】
Niijima Farmersは複数事業に取り組んでいることもあり、繁忙期の人手不足は大きな課題となっていた。宿の稼働率向上と、Niijima Farmersが理想とする姿の両立が大きな課題となっていた。
【取り組みと成果】
理想とするターゲットの可視化と「Niijima Villa 菜宿物語」の価値を言語化・発信
事業者に対し、目指す営業スタイル、顧客とのコミュニケーション方法、新島での過ごし方についてのヒアリング及び意見交換を実施し、Niijima Farmersが理想とするターゲットイメージを可視化した。
その上で、新たにオープンした宿泊施設「Niijima Villa 菜宿物語」がどのような場所で、どのような体験・価値を提供できるのかを言語化し、Nature Tokyo Experienceのサイト及び、メディアを通して訴求した。
「男の隠れ家 WEB」でオールシーズン楽しめるNiijima Farmersの魅力を訴求
ターゲットと親和性の高い媒体として、の隠れ家 WEBでオフシーズンも含めたNiijima Farmers菜宿物語の魅力を訴求した。
■男の隠れ家 WEB 掲載URL:https://otokonokakurega.com/meet/secret-base/76197/
事業者の声「お客様にも気持ちが伝わってきていると感じている」
「Niijima Villa 菜宿物語がオープンして、本当にちょっとずつですが、お客様もいらしていただけるようになりました。皆さんにゆっくりしていただきたいという私たちの気持ちが伝わってきているかなと感じています。最終年度で取り組んだ敷地内へのサウナ建設も、ヒバの材木を使うなど各所こだわりながら進めています。完成したら、また1つ菜宿物語の魅力になり、多くの人に楽しんでもらえるのではないかと思っています。」
<株式会社do-mo>
【事業者が感じていた課題】
do-moは、キャンプ場・レストランの経営、あじさい山の管理など、多様な事業を展開しており、事業ごとに担当者が異なるため、各事業のコミュニケーションに一貫性がなかった。立ち上げメンバー間においても、想いの言語化ができていなかった。
【取り組みと成果】
3つの事業をつなぐコミュニケーションワードを提案
一貫したブランドコミュニケーションを行うため、各事業に関わるメンバーに想いや、事業の状況・課題のヒアリング及び、意見交換を実施し、事業の核となるキャッチコピーを「東京の森にどうもをお返しする」「do-moがめぐる東京の森」を作成。
「東京の森の価値を最大化する」というコンセプトのもと、3つの事業①キャンプ場(do-mo Camp)②レストランの経営(do-mo Cafe)③あじさい山の管理(do-mo Forest )を行っているというストーリーを設計し、各事業の繋がりを可視化した。また、そのストーリーを伝える雛形となるような記事を作成し、Nature Tokyo Experienceのサイトで掲載した。
キャンプ場に新設したサウナ施設をBRUTUSに掲載
「BRUTUS」のサウナ特集内でキャンプ場に新設したサウナ施設を掲載した。
■BRUTUS WEB 掲載URL:https://brutus.jp/shizenjin-mura/
事業者の声「事業の指針となる想いを言葉にできたことで、採用にも寄与」
「まさかこんなスペシャルな方々が私達の事業に向き合ってくれるんだと、スタートしたときには驚きました。
事業立ち上げから今年で8年目になるんですが、ずっと突っ走ってきたという感じで。立ち上げメンバー4人それぞれ、思いの方向性は同じだけれども、言語化はできていなかったんですよね。NTEのミーティングにはメンバー全員が毎回参加し、ディスカッションを重ねました。『東京の森にどうもをお返しする』というコピーをつくっていただいたことでストーリーが伝えやすくなり、新入社員の採用にも繋がりました。本当に価値のある1年になりました。来年も含め、引き続きお世話なりたいなと思っています。」
事業伴走における1年間の活動の成果
・それぞれの事業者の事業拡大に伴い、“なぜやるのか?”という事業の根幹部分についてヒアリング、言語化を行うことで、各事業に関わる人が同じように事業の説明ができるようになった。
・訴求したい新規顧客にリーチでき、ブランド力の向上につながる媒体の掲載を獲得した。
・ターゲットを明確にすることで、そのターゲットにささるコピーやクリエイティブ表現を設計した。
Nature Tokyo Experience全体の広報施策について
Nature Tokyo Experienceコンセプトの設計とホームページのリニューアル
明瞭なコンセプトメッセージ「FIND OUT YOUR FIELD -都市と自然、どちらもある日々を- 」をつくり、ターゲットが関心のあるコンテンツの追加やインターフェースの改善など、ホームページのリニューアルを行った。
リアルイベントの実施
「FIND OUT YOUR FIELD -都市と自然、どちらもある日々を」のコンセプトを体感できるイベントを、下北沢のイベントスペース「BONUS TRUCK」で開催し、2日間で2000人以上が来場した。事業者の販売する商品や活動内容を知るパネル展示や、「都市と自然、どちらもある日々」をテーマにトークイベントなどを実施し、後日Nature Tokyo Experienceの公式サイトでの記事掲載を行った。ターゲットとの親和性が高い場所で展示+イベント+物販を行うことで、東京の中で「働く」「遊ぶ」「暮らす」においての新たな選択肢を提供し、事業者やその取り組みの認知拡大及び、事業者と来場者が繋がるきっかけを創出した。
事業伴走における1年間の活動の成果
・それぞれの事業者の事業拡大に伴い、“なぜやるのか?”という事業の根幹部分についてヒアリング、言語化を行うことで、各事業に関わる人が同じように事業の説明ができるようになった。
・訴求したい新規顧客にリーチでき、ブランド力の向上につながる媒体の掲載を獲得した。
・ターゲットを明確にすることで、そのターゲットにささるコピーやクリエイティブ表現を設計した。
Nature Tokyo Experience全体の広報施策について
Nature Tokyo Experienceコンセプトの設計とホームページのリニューアル
明瞭なコンセプトメッセージ「FIND OUT YOUR FIELD -都市と自然、どちらもある日々を- 」をつくり、ターゲットが関心のあるコンテンツの追加やインターフェースの改善など、ホームページのリニューアルを行った。
リアルイベントの実施
「FIND OUT YOUR FIELD -都市と自然、どちらもある日々を」のコンセプトを体感できるイベントを、下北沢のイベントスペース「BONUS TRUCK」で開催し、2日間で2000人以上が来場した。事業者の販売する商品や活動内容を知るパネル展示や、「都市と自然、どちらもある日々」をテーマにトークイベントなどを実施し、後日Nature Tokyo Experienceの公式サイトでの記事掲載を行った。ターゲットとの親和性が高い場所で展示+イベント+物販を行うことで、東京の中で「働く」「遊ぶ」「暮らす」においての新たな選択肢を提供し、事業者やその取り組みの認知拡大及び、事業者と来場者が繋がるきっかけを創出した。
総括:持続可能な事業伴走と広報支援を実施
全事業者が地域資源を活かした事業を行っており、事業を通してサービス利用者 (関係人口)を増やし、地域経済の循環を目指すことを目的に広報支援を実施した。また、事業支援期間終了後も、事業者自身で広報活動を実施できるよう、今後も活用可能な広報素材を作成した。
新規事業開発フェーズにある事業者に対しては、ターゲットの具体化とともに広報戦略の立案を実施。露出文脈の整理・素材の撮影・執筆、露出を最大化させる媒体とタイミングの選定を行い、短長期的なブランド力向上に寄与する活動を行った。
既存事業のグロースフェーズにある事業者に対しては、事業ストーリーを中心に、エリア自体の魅力や素材の再発掘を行いターゲットへの拡散を設計した。また、創業ストーリーや事業者自体に焦点を当てた名刺代わりとなる二次利用可能なツール(記事・写真素材)の作成を行った。
他の記事を読む