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「働く」「遊ぶ」「癒される」が東京で叶う、心身をととのえるウェルネス旅(五感で味わう編)

 

「大自然の恵みをいただきます。五感で味わう編」

 

ただ旅するだけではなく、学びのある体験ができること、ある地域を応援すること、自分だけのお気に入りのフィールドが見つかること。いま、未来に向けて心身をととのえるウェルビーイング旅がちょっとした話題になっています。

 

少し足をのばすだけで、「こんないい場所があったんだ!」という発見があったり、「ああ、また会いたいな」という人ができたり。いつもの日常をより豊かにしてくれる旅を探しているあなたへ。東京都と東京観光財団の支援事業である「Nature Tokyo Experience」がエネルギーを充電する旅先としておすすめするのが、「都市と自然、どちらもある日々」を実現する場所。

 

今回は1日だけの休暇でも気軽に行ける大自然のなかで、その土地に流れる歴史や時間、願いや思いが“食”というかたちで表現されているスポットを2つご紹介します。大地の恵みを思いっきり味わってみてください。

 

新島村 「Niijima Villa 菜宿物語」 新島の新しい拠点、週末島ライフを叶えるトレーラーハウス

 

「Niijima Villa菜宿物語」は、新島出身の内藤八重子さんと伊豆七島の新島で工務店業も担うパートナーの政之さん、そしてご家族や仲間とともに作り上げたトレーラーハウスを中心とした1日1組限定の宿泊施設。

 

「サーフィンの聖地でもある豊かな海に囲まれた新島は、夏がトップシーズンと思われがちですが、海だけではない魅力が沢山あります。偏西風の影響で風が強くなる冬のシーズンは、実は流星群などの天体観測が肉眼でできてしまうほど夜空が綺麗なんです。四季ごとに表情の異なる新島を堪能してもらえるよう、滞在の1つの拠点として菜宿物語を利用してもらえたら嬉しいです。」内藤さんはそう話します。

 

 


Niijima Villa 菜宿物語の内藤ご夫妻

 

秘境新島で見つけた大人の隠れ家

 

 

今回のゲストは、普段は都心で働き、週末に仲間を集めてアウトドアを楽しむ友人である二人。新島への上陸は今回がはじめて。大人になると大体のメジャーな旅はしてきているからこそ、行き慣れていない、知らない場所での文化や食、人との出会いを楽しみたい、と新島への旅を決めました。都内から小型飛行機に乗って島に向かう旅の始まりもまたいいもの。お気に入りの本と日課で描いているスケッチブックを手に島へ飛び立ちます。

 

 

周囲を広大な森に囲まれたNiijima Villa菜宿物語は、数年かけて内藤夫妻をはじめ、ご家族や仲間が森を切り開き作った場所です。広大な敷地には、アメリカから仕入れた新車のトレーラーハウスを中心に、屋根付きのラグジュアリーなくつろぎスペースや露天風呂、野菜が豊かに実る畑も。今後はサウナの建設も予定しており、まるでリゾート地にある自分の別荘で過ごすかのようなプライベートな時間を楽しめます。

 

 

 

 

新島へは竹芝駅が最寄りの竹芝埠頭から一晩かけて行く大型客船、2時間半ほどで到着する高速ジェット船。また、席数は少ないですが調布飛行場から小型飛行機に乗れば約35分で来島することも可能なので、旅程や予算に合わせて移動手段を選択できます。事前に宿に到着時間を伝えると、新島空港や新島港(黒根港)まで内藤夫妻が迎えにきてくれるのも嬉しい旅のはじまりです。施設や、島のことを教えてくれるので、美味しいご飯処とおすすめスポットなど聞いてみましょう。

 

島の気候によって強く、甘く育つ絶品野菜

 

チェックイン後、ご夫妻が育てる野菜をみせてもらえることに。少し離れたところにある畑へ、木々がトンネルのように生い茂る島らしさを感じる道を歩いて向かいます。

 

 

 

新島は冬の期間3〜4か月ほど、15m以上の風速の季節風「西ん風(にしんかぜ)」が吹きます。一説に、新島は水蒸気爆発で海底が隆起して誕生したとされ、その土地は海のミネラルを豊富に含んでいます。冬にはこの西ん風に巻き上げられた海水が大地に降り注ぐため、新島の野菜は甘く強く育つそうです。加えて、ご夫妻は無農薬にこだわり栽培しているため、畑にはみずみずしい野菜がたくさん実っていました。

 

 

そしてご夫妻が数年前から挑戦しているのがオリジナル焼酎の原材料づくり。新島の特産品であるアメリカ芋。11月には収穫し、翌年1月を目処に数量限定で東京駅や複数の酒屋で販売される予定です。

 

「焼酎の名前は、無が六酎(むがむちゅう)。アメリカ芋を無農薬、無化学肥料、無散水で育て、宮原酒造さんで無濾過、無調整、無加水で仕上げてもらっています。このこだわりの製法を六つの“無(む)”で表現してるんです。」と微笑む。六つのこだわりの製法により、口にするとまるで焼き芋を食べているような濃厚な味わいの焼酎になるそう。今年の芋の出来も順調ということで、味わえる日が待ち遠しいです。

 

 

 

一度は訪れたい、大地が織りなす絶景“シークレットポイント”

 

そしてもう1つ、2人が教えてくれたのが島の人からシークレットポイントと呼ばれる場所。島の東側を走る細い道路を走ると突如、道路脇にシークレットポイントと書かれた石の看板が。注意深くみていないと見逃してしまいそうです。示された森の奥に小道が続きます。

 

 

 

木々がひらけた先には、思わず息を飲む絶景が広がります。ここが島の人からシークレットポイントと呼ばれる海岸。急な階段を降り、砂浜に降り立つとダイナミックに切り立つ砂岩と海の青さに圧倒されます。まるで異国に訪れたような雰囲気のなかを散策するのもおすすめです。

 

 

 

島グルメ「島寿司」を堪能するランチタイム

 

 

 

お昼には、ご夫妻に教えてもらったおすすめのお店、新島で長く愛されている栄寿司へ。企業秘密、とご主人が答えるタレに新鮮な魚を漬け込んだ島寿司が新島の名物。この日は、メダイ、カンパチ、マダイの3種の島寿司と魚の出汁がきいたお味噌汁、そして海鮮丼を堪能しました。

 

商店を散策しながら地のものを調達。大地の恵みを味わう夕食

 

 

 

夕飯に向けて新島の特産品でもあるくさや屋さん菊孫商店や地酒をつくる酒屋さん宮原酒造などの、商店などを巡ります。菜宿物語では、予約時に魚または肉のBBQセットの予約ができるため、食材調達はお任せしたいという方でも安心。飲み物や他に必要なものだけ買い出しできればメインはご夫妻が届けてくれます。

 

魚セットでは旬に合わせた地元の魚介、肉セットではサーロインステーキ、それにご夫妻の畑でとれた季節の野菜も楽しむことができます。今回は持参したダッチオーブンを使って、商店で調達した地元の食材でピザづくりに挑戦。トレーラーハウス横に大きな焚き火台や炭に薪もあるので、焚き火を利用した調理ができるのも嬉しいポイント。

 

 

 

 

今回はこだわりのダッチオーブンとお気に入りの調味料を持参しましたが、宿には調理器具が完備。島の商店で食材を買って自分たちで料理を楽しむのもいいですね。

 

 

何もしない贅沢な時間に癒される
食事のあとは新島のゆったりとした時間を楽しんで。移り変わる空の色やそよぐ風を感じ、焚き火を眺めて夜を過ごし、トレーラーハウスで快適に眠りにつく。大人の遊び心をくすぐるトレーラーハウスでの生活は、予定を詰めずに赴くままに過ごすくらいがちょうどいい。

 

 

チェックアウトの日は、飛行機や船までの待ち時間も身軽に新島を楽しんで欲しいというご夫妻の計らいから、出発の時間まで宿に滞在することができます。目覚めたら自分で薪をくべて露天風呂を沸かし、八重子さんの手作りの朝ごはんをゆっくり堪能。コーヒーを片手に朝の木漏れ日の中、思い思いの時間を過ごす贅沢がここにはありました。

 

 

 

 

<Infomation>
株式会社Niijima Farmers Niijima Villa 菜宿物語
HP:https://niijimafarmers.ocnk.net/

 

三鷹市 「あつまれ!!ぶどうの森グランピングフィールド」
オーガニックの葡萄づくりを行う農園での美味しいファームステイ

 

都心からもアクセスのいいJR三鷹駅から車で5分ほどの場所にある三鷹オーガニック農園。江戸時代から約400年続く農園で、無農薬で漢方薬に使用する薬草をメインで育てていました。

 

「時代が変わり、父の代で農薬を使って野菜を育てていたことがありました。しかし農薬を使って育てた野菜を作り始めた頃から体調を崩すようになり、やっぱりうちは無農薬で身体にいい野菜を作ろう、と決めて私の代で無農薬を貫いています。」と話すのは、この農園のオーナーである株式会社旅倶楽部 代表取締役の金子晃さん。

 

 

江戸時代から大切に耕されてきた土地で育つ、日本各地の在来種の野菜

 

 

現在三鷹オーガニック農園では、人間が作った野菜の種(F1=ハイブリッド)ではなく、各地の歴史ある農家の皆さんが種取りをして代々受け継いでいる在来種の野菜の種を中心に育てています。品種改良のために育ち方や味などをコントロールした野菜ではないため、野菜が本来もっている“その野菜らしい味=個性”を存分に楽しめます。

 

また、3年ほど前から日本では珍しい葡萄の無農薬栽培もスタート。もっと在来種のオーガニック野菜の魅力や、代々住み続けている三鷹の地の魅力を知ってもらいたいという想いから、葡萄棚の下をグランピングやキャンプのスペースとして「あつまれ !!ぶどうの森グランピングフィールド」として通年開放しています。夏の時期は特に周りよりも気温が低くなり、快適に過ごしやすいのも嬉しいポイントです。

 

 

そんな金子さんの元には“そもそも種の入手が困難、かつ育成も難しい在来種の野菜を三鷹の真ん中で育てている人がいるらしい。”という噂から、各地から農家さんやシェフ見習いの方々などが見学に来ることも。主催している農業スクールには、毎週末他県から熱心な農業に従事していない一般の方が集まるそうです。

 

在来種の野菜を身近な存在にしていくことで、近い将来、在来種の野菜の味が美味しいと気づく方が増えて欲しいという願いを込めて運営をしています。

 

在来種の野菜について知る、野菜の個性を味わう、ファミリーでも楽しめるピザづくり体験

 

 

あつまれ!!ぶどうの森グランピングフィールドでは、テントやグランピング設備の貸し出しがあり、デイキャンプや宿泊キャンプも楽しめます。そしてファームステイならではのプランとして、農園で収穫したオーガニック野菜を使ったピザづくりやBBQも予約制で体験することができます。(コロナ感染状況によって一部サービスに制限がある場合がございます。最新状況は予約の際にお問い合わせください。)

 

 

子どもたちは自分の目で見て、体験したものをずっと覚えているもの。普段食べている野菜はどうやって畑で育つの?ピザはどうやって作られるの?1つ1つの“初めて”を体験することで、子どもたちはどんどん感動を吸収し感性を育てていきます。今回のゲストは、都心で働き、生活をしながら週末はデイキャンプやアウトドアによく出かけるファミリーです。東京に暮らしながらも、そういった自然体験をさせてあげたいという両親の想いから、収穫体験からピザ作りまでデイキャンプをしながら楽しめる三鷹オーガニック農園にやってきました。

 

 

 

まずは農園で旬の野菜を収穫。「なぜシシトウはたまに辛いものがあるのか?」、「この花はなんの花でしょうか?」野菜に関するクイズをしながら1つ1つ野菜を紹介してくれるので、子どもたちも興味津々で金子さんに質問します。

 

 

もちもちのピザ生地は、近くにある人気のパン屋さんブーランジェリーhiroから特別に仕入れています。子どもたちは初めてのピザづくりに苦戦しながらも、金子さんやお母さんに手伝ってもらいながらピザをかたちにしていきます。

 

今回はぶどうの新芽とくるみやオリーブオイルを使ったジェノベーゼソースのピザ、そしてオリジナルのトマトソースのマルゲリータや、葡萄とカスタードのデザートピザを作りました。

 

 

 

 

 

葡萄棚を拠点に楽しめる子どもも大人も嬉しいエンターテイメント

 

 

三鷹オーガニック農園の最大の特徴は、屋根のある葡萄棚を拠点にして終日さまざまな体験がきるところにあります。ピザ体験やBBQはもちろんのこと、お気に入りのアウトドアギアを持ち込んでのデイキャンプや常設のグランピング設備を利用したり、農園に住む3頭のやぎとのふれあいも楽しめます。無農薬で育てているため自然豊かな園内には都心ではあまり見ることのできない様々な昆虫も生息しており、子どもは大喜び。さらに、今年は無農薬栽培の葡萄の収穫からワインづくりまでを体験できるナチュラルワインづくりも開始。

 

 

 

 

園内にあるキッチンカーでは、季節に合わせたジェラートや、農園でとれた果物を使ったサングリア、ホットワイン、寒い日には自家製の手前味噌を使った味噌汁なども販売されるので、園内で遊びながらゆっくり過ごすこともできます。

 

 

夜には葡萄棚に灯りがともり、幻想的な空間を演出します。

 

大人には大人の、子どもには子どもの、それぞれの楽しみ方を見つける場所

 

近所の保育園の芋掘りや有機農業スクールも指導する三鷹オーガニック農園。子どもたちには、本来野菜とはどんな味がするのかという体験や、芋掘りも苗植えから収穫までを何ヶ月もかけて体験することで、生きる力を育んで欲しいと話す金子さん。一方で、大人たちには“大人の週末楽しみクラブ”のように、農作業をしたり、農園でとれたもので食事会をしたり、この場所を使って自由に思い思いの楽しみ方を見つけてもらえたら嬉しい、と力強く語ります。

 

 

「在来種の栽培や無農薬葡萄の栽培は簡単ではありません。有機農法だけでなく様々な野菜・果物の特殊な栽培方法の技術を三鷹でみなさんに伝える機会を創出したいと考え、5年ほど前から全国にいる栽培のプロのみなさんを口説き落とし定期的に農園にお招きし、年間を通して各種農業スクールを開催しています。

 

そこまでするのは、やはり代々続いてきたこの土地をさらに斬新なアイディアで金子流の磨きをかけ、三鷹の新しい魅力を作っていきたいからこそです。いつでもオンリーワンを目指しています。」

代々受け継がれる土地を守りながらも、三鷹を盛り上げるために新しい挑戦を続ける金子さんの今後が楽しみです。

 

<Infomation>
株式会社旅倶楽部 あつまれ!!ぶどうの森グランピングフィールド
HP:http://budonomori.com/

 

 

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