事業共有レポート

Nature Tokyo Experience~新たなツーリズム事業情報共有会~

 

 

日時:3月25日(木)11:00~12:00
場所:オンラインにて開催

 

2018年から支援スタートした事業者と、2019年より支援スタートした事業者が参加する情報共有会を開催した。
次年度以降、新規事業者に本事業に参画してもらうためにも、先行事業者による取組、工夫した点や苦労した点を情報共有を行った。さらに、事業者同士の横連携も構築することで、本事業に対するモチベーションアップも図った。
はじめに、参加者の自己紹介からはじまり、改めてどのような方々がどのような事業を行っているのか説明。その後、本事業でどのような取り組みを行っているのか、本事業のWEBサイトを例にご紹介し、プロジェクトの全体構造の説明や全体広報、各社ページの紹介等。今後オープンされる事業者さんのページも順次アップしていく旨を共有した。
その後、各事業者さんからどんな事業を行っているか、事業を進めていくうえで工夫したことや大変だったことを共有し、今後、推進していきたい事項などを説明いただいた。

 

・井上店/ちゃめハウス
檜原村で愛犬と宿泊できることをコンセプトとした「ツリーハウス」感のある宿泊施設を設営。元々、木の上にあるような、本格的なツリーハウス設営を検討していたが、旅館業として運営するうえでは基準を満たさず、部屋の中に木を通したりと材木を活かし、さらに安心安全を考慮した施設を設営した。
事業を推進していく上で、夏場は川遊びのお客さんも多く見えるが、閑散期の利用者をどのように集客するか検討。逆に静かに過ごすことのできる場所でもあるので、その特性を生かしてワーケーションやステイケーションで長期滞在の仕組みも考えていく予定をしている。

 

・NiijimaFarmers/Niijima 菜宿物語(さいしゅくものがたり)
新島村で農業体験と宿泊が体験でき、東京都の離島という場所で、新たな旅の演出を生み出すプロジェクト。農業体験だけでなく、新島の特色を生かしたアクティビティの体験やその地域でしか味わえない1日1組限定の旅プランを提案。事業を進めていくうえで、トレーラーハウスは建物扱いにならず浄化槽が設置できないといった苦難もあったが、簡易トイレを設置するという方法で設置申請の許可が下りることとなった。
事業を推進していく上で、島の閑散期にどのようにお客さんにきてもらうか、そのためにもトレーラーハウス中心とした、屋外風呂や長期滞在の為の洗濯機等、施設周辺のコンテンツの充実を検討している。

 

・多摩車両/THE TINY INN
福生市でタイニーハウスを活用した宿泊施設「The TINY INN」とフードトラックを集結させた「Delta EAST」を開始。奥多摩で醸造する「VERTERE」のクラフトビールなども味わえる。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で宿泊事業は激減しているが、フードトラックの「Delta EAST」は屋外のオープンスペースをいうこともあり、利用者は増加している。
今後、この場所を起点とした、まちづくりや地域活性化をテーマとしたコミュニティ形成を進めていくことを検討している。新型コロナウイルス感染症が落ち着いたら、地域との連携を深めるためにも「まちづくり」イベントを開催していく予定である。

 

・旅倶楽部/三鷹オーガニック農園
三鷹市で農業を体験しながら宿泊できる施設を始動。ファームステイ事業として、ぶどう畑内に設置されたグランピングテント・トレーラーハウスに宿泊しながら、オーガニックにこだわった農業体験ができる。宿泊エリアでは、動物を放牧したりと都会のオアシスとして楽しんでもらえるよう工夫している。
今後は、地域連携として、武蔵野の歴史や文化、自然に触れあえるようなアクティビティの提供、利用者が長期滞在したいと思えるような場作り、食事ができる「農園レストラン」等を検討していく予定である。

 

・トレイルヘッズ/HINOKO TOKYO
檜原村で会員制キャンプ場「HINOKO TOKYO」をオープン。都内初の薪ストーブで温まるサウナ小屋で、自ら火を起こしてもらうスタイル。体が温まったあとは、そのまま目の前にある秋川に飛び込めるという自然を全身で体感できて楽しむことが出来る。法令関係については、元々、旅館業をとっている施設の付帯施設という位置づけを行うことで、公衆浴場法の申請は不要ということになった。
今後は、サウナの新たな活用としてワーケーション小屋を設置し、「働く、暮らす、遊ぶ」を融合した場作りの提供を検討している。

 

【事務局所感として】
◆事業者間の連携について
・取り扱うサービスの類似性を共有できたことで、事業者間のシナジー効果等が生まれる可能性がある。
→トレーラーハウス(NiijimaFarmers、三鷹オーガニック農園、多摩車両)
→農園を舞台にした展開(NiijimaFarmers、三鷹オーガニック農園)

 

・「ワーケーション」を切り口としている事業者が複数存在した。今後の方向性として、事務局がハブ(別事業でのノウハウ提供など含めて)となることで、事業者間の連携も見込めると考える。
→トレイルヘッズとおいねハウス~檜原村のサテライトオフィス(別事業)との連携
→NiijimaFarmersと式根島コワーキングスペース(別事業)との連携

 

◆事業者の抱える課題について
・閑散期対策
⇒事業者間の課題のひとつとして、「閑散期をどうプランニングしていくか」という意見が多かったことから、今後、実施するモニターツアーなどにより、閑散期においても地域のステークホルダーとの連携や集客に繋げることができる施策展開等を検討していく。
・コロナ禍における集客及び対策
⇒「Withコロナの視点でどの様な施策を推進したらよいか」という意見に対し、事務局側から事例紹介などを提供しつつ、各自で模索しながら、課題解決の一助となるためのモニターツアー等を実施などの提案を行った。
例えば、オンラインツアーなどで関係人口とファン創りを行った後に、現地へ誘客してもらえるような施策なども検討していく。

 

◆その他
・ターゲットの明確化
⇒個別広報については、各事業者のターゲットを踏まえた媒体選定をしているが、今後の方向性とターゲットの設定が揺らいでいる節も見受けられたので、モニターツアーの企画に向けてターゲット設定等を再度整理及び確認を行う。